漫画マーケティングの魅力は、高い伝達力とユーザーに共感を生みやすい点にあります。
ヘルスケア・医療業界では、共感が重要なキーワードとなっており、病気で苦しむ患者やその家族に焦点を当てた漫画が多く描かれています。
医療マンガは、娯楽作品としても多く存在し、感動を呼ぶ作品が多いです。そのような感動を生み出す手法は、マーケティングにとても有効です。
この記事では、ヘルスケア・医療業界での漫画マーケティングの使用例をいくつか紹介していきます。
Webサイトでの使用例
漫画で病気について伝える
参照URL:https://your-comics.com/fr/reference/bande-dessinee-medicale-158.html
この漫画は、病気に苦しむ患者について紹介するものです。フランスではこれらの「医療漫画」を「Médecine graphique(メデシーヌ グラフィック)」と呼び、業界全体でその名称が採用されています。
この「Médecine graphique」は、1980年代からフランスで発展してきました。ほとんどの作品は、性的な病気に苦しむ患者の人生や、それとの共存を伝えるストーリーになっています。
「Médecine graphique」は、患者にとって二つのメリットがあります。まず、他の患者との共通点を発見し、共感することで心の負担を軽減できます。そして、自分の症状を言葉ではなく作品で伝えることができます。医師に自分と同じ症状の作品を見せるだけで、患者が伝えたいことを医師が理解できるのです。
ピルについての説明
参照URL:https://jlc.tokyo/examination/10.html
この漫画は、ジャスミンレディースクリニックから出版されたピルの紹介漫画です。
漫画は、主人公が友人に相談しながらピルのメリットを説明する流れで進んでいきます。さらに、デメリットについても触れられ、主人公が病院に行ってピルをもらおうとするところで終わります。
漫画の後半では、ピルの入手方法や料金などが具体的に説明され、ピルについて知識を持ちたいと思っている人々をターゲットにしています。
性感染症についての説明
参照URL:https://jlc.tokyo/examination/09.html
この漫画もジャスミンレディースクリニックから出版されたもので、性感染症についての紹介漫画です。
漫画のストーリーでは、主人公が病院で医師から性感染症についての説明を受けます。最初は主人公の性感染症への反応がないことが示唆されますが、その後、医師との関係が変化し、ストーリーは進んでいきます。
漫画の後半では、性病についての詳細な情報が提供され、性病の特徴やリスクが説明されています。
性病はデリケートな問題で、誰に相談すればいいかわからない人も多いです。この漫画では、相談者と医師をキャラクター化することで、心理的なハードルを下げ、患者たちに「自分も相談してみようかな」という気持ちを抱かせる効果があります。
HIVの現状についての説明
参照URL:https://www.statnews.com/2018/04/26/using-comics-in-medicine/
上記の漫画は、HIVに関するグラフィック・メディシンです。
漫画のストーリーでは、主人公が医師の診察を受けた後、ゆっくり休むように指示されます。主人公は医師の言葉に従い、その日は病室を出て次の日再度診察に訪れます。
すると医師は主人公に対して、HIVのプライベート臨床室に行くよう案内します。
漫画の最後のコマでは、HIVによる死者数とそれに対する世界の認識の違いが描かれています。
漫画の後半では、アメリカのHIV危機を経験したエッセイが語られています。
この漫画では4コマという限られたスペース内で、作者が最も伝えたいメッセージを詰め込んでいます。それは、多くの患者が初めてHIVについての知識を得るまで知らないということです。
この漫画を通じて、自分自身がHIVに感染している可能性を考えている人々に対して「皆最初から知識を持っているわけではない」というメッセージを伝えています。
ファブリー病との付き合い方
参照URL:https://www.fabryconnect.jp/comic/comic01.html
この漫画は、ファブリー病との付き合い方が描かれているものです。
主人公は、ファブリー病に指定されている難病との付き合いについて悩んでいます。
漫画のストーリーでは、主人公が幼少期から手足の痛みなどの症状に苦しんでいますが、病院では神経痛と診断されただけで正体がわかりませんでした。
成人後、主人公は健康診断でファブリー病であることが判明し、病気の説明を受け、治療法があることに安心します。
この漫画では、診断のきっかけから病気の判明までの経緯が描かれており、一般的にはあまり知られていないファブリー病についての説明と、「患者の不安」を描写しています。
この漫画は、同じ症状を持つ人々にとって、ファブリー病の早期発見につながり、患者の親族の理解を深める効果も期待できます。
東日本メディコム株式会社PR漫画
参照URL:https://jobmanga.com/manga/e-medicom/
この漫画は、東日本メディコム株式会社から出版された就活生向けのPR漫画です。
漫画のストーリーでは、子供の頃に医者を志していたが挫折し、それでも医療に関わる仕事に就きたいと考え、東日本メディコム株式会社に入社した女性が主人公となっています。
働く中で「苦手な人」と出会い、主人公は悩みますが、上司の助言を受けて自分の改善点を見つけ出し、クライアントからの信頼を得ることに成功します。
この漫画は、会社の説明や求められる人材像などが描かれており、就活生
に対して東日本メディコム株式会社のイメージを伝える役割を果たしています。
多くの企業では、入社後のギャップが離職につながることがあるため、それを防ぐ効果も期待できます。
SNSでの使用例
介護施設についての紹介
この漫画は、「かながわ感動介護大賞」の最優秀作品「出会い」のエピソードを漫画化したものです。
漫画のストーリーでは、看護小規模多機能型居宅介護事務所(看多機)の存在と、それによって介護の心の負担が軽減されるエピソードが伝えられています。
主人公の夫は脳梗塞で倒れ、回復した後に重度の高次脳機能障害を発症しました。
その後、主人公の家族は介護に悩みながらも、看多機を利用することで主人公の生活リズムが戻り、精神的にも余裕が生まれ、夫の笑顔も増えていきました。
最終的に夫は亡くなってしまいますが、家族が看多機と出会ったことで最後の時間を穏やかに過ごすことができたと感謝の言葉が述べられます。
この漫画は、老人看護の現状に焦点を当てており、同じく看護で苦しい思いをしている読者に共感を呼ぶストーリーになっています。
また、近年では家族を施設に入れることに抵抗を感じる人々も多いため、この漫画は心理的なハードルを下げる効果を持っています。
歯医者についての説明
この漫画は、第4回医療マンガ大賞の特別賞を受賞した歯科受診に関する漫画です。
漫画のストーリーでは、歯科衛生士が患者をより理解することで定期健診の継続につながることが伝えられています。
主人公は歯科衛生士の女性で、患者が何
回検診に来るか予測できる能力を持っています。
最初は主人公が男性の患者が2回までしか検診に来ないと予想していましたが、実際には3回目の定期健診にも来てくれました。
これによって主人公は、患者との関わりが定期健診の継続につながることを理解するようになります。
通常の漫画マーケティングでは患者が主人公となることが多いですが、この漫画では歯科衛生士が主人公となり、あまり使われない「超能力」の要素も取り入れられています。
従来の手法とは異なるアプローチで、漫画の面白さを追求しながら患者側と歯科衛生士側の意識改革にアプローチしています。
歯科検診のタイミング
この漫画は、医療マンガ大賞の部門賞を受賞した歯科検診のタイミングに関する漫画です。
漫画のストーリーでは、子供でも早めに歯科検診に連れて行くことの重要性が伝えられています。
主人公はママ友との会話で、既に友人の子供が歯科検診に行ったことを知り、自分の子供も連れて行くことを決めます。
主人公は子供に甘いものを与えておらず、歯磨きもちゃんとしていると思っていましたが、歯科検診で前歯に汚れが残っていることが判明します。
歯医者から歯ブラシの持ち方を教えられ、子供の歯は綺麗になりました。
この漫画は、子供の歯科検診のタイミングについて描かれていますが、定期的な検診の重要性も伝えています。
看取りについての解説
参照URL:https://iryo-manga.city.yokohama.lg.jp/2022/comic/ep2
この漫画は、医療マンガ大賞の大賞を受賞した看取りに関する漫画です。
漫画のストーリーでは、主人公の母親が高齢で認知症を発症し、家
族のことも認識できなくなる状況になっています。
しかし、主人公の父は陽気な性格で、夫婦仲が良いと言われています。
ある時、主人公の母は誤嚥性肺炎に罹ってしまい、家族は「看取り」の準備を始めます。
家族は最後の時間を穏やかに過ごすことができ、主人公の母は亡くなる直前に家族に感謝の言葉を伝えます。
この漫画は、「看取り」に直面する家族を描いており、家族全員が「看取り」に向き合うことの苦悩や感謝の気持ちを読者に伝えています。
医療現場での「看取り」は実際の経験を通じて理解するのが難しく、言葉だけでは伝えきれない部分もあります。漫画を通じてわかりやすく伝えることで、読者に共感を呼び起こしています。
まとめ
医療マンガは、「医療×漫画」の取り組みも進んでおり、ヘルスケア・医療業界での使用が増えている傾向にあります。
漫画は読者に感情移入させることができるため、病気や患者についての理解を促す際に有効です。
病気についての正確な情報を得るためには、当事者となってみないとわからないという人も多いため、漫画を通じた情報伝達は効果的です。
海外では「Médecine graphique」として医療漫画が知られており、作品数も多く展開も進んでいます。
日本の医療漫画も国外で認知され、さらなる発展が期待されるでしょう。
今後も日本の医療マンガの動向に注目していきたいです。
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